春日部市役所での政策提言型インターンシップに参加して ~単独で挑戦し、自分の力を見つめなおす~
2020.01.10

春日部市役所での政策提言型インターンシップに参加して ~単独で挑戦し、自分の力を見つめなおす~

経済学科は、自治体公務員を目指す学生に向けた「地方自治論実習」を用意しています。夏休みの間10日から1ヶ月程度、地方自治体で政策提言作りを行い、市長や副市長など、地方行政の首脳陣にプレゼンテーションする機会を提供しています。今回のインタビューでは、今年の夏、春日部市役所にて単独でのインターンシップに臨んだ学生へ、挑戦の理由や得られたものについてお聞きしました。

公務員インターンシップに挑戦しようと思った理由を教えてください

私は大学に入学する前から市役所の採用試験を受けようと考えていました。しかし、漠然とした目標だけを持っていたため、不安に思っていました。そのような時、ゼミの指導教員である金子先生から、「地方自治論実習」という市役所でのインターンシップを経験できる授業があることを教えていただきました。最初は説明会だけでもと思っていましたが、市役所の内部を見ることができ、どんな仕事をしているのか知れて、更には自分で地方自治体の政策が作れる。これだけ魅力があるインターンシップを逃すわけにはいかない、と即座に参加することを決断しました。

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今回、一人で参加を希望されたようですが、それはどうしてでしょうか

これまでの人生において、一人で物事を成し遂げたことが少なかった私は、自分の力を見つめ直したいと思いました。これから学年が上がり、就職活動が始まれば基本的に一人で全てを行わなければなりません。そのような際にはしっかりと自己分析ができていなければいけない。そのために自分は何が得意で、何が不得意なのか再認識したいと思いました。そして、どのような職種が自分に合っているのかを探し出すという意味でも、今回の一人での参加は良い経験になると思ったからです。

春日部市でのインターンシップではどのようなことを体験しましたか

春日部市役所のインターンシップでは政策提言を作成する他に、意見交換会や提案事業相談会に同席をさせていただきました。そのほかには政策形成基礎講座の司会などもさせていただき、多岐に渡る総務課の業務を体験することができました。それに加えて、私が面白いと感じたのは新聞記事に掲載されている情報の閲覧です。総務課で課題となっている事が新聞掲載された際には、その部分を切り取り、皆で閲覧するというものです。やはり市役所の方達は最近の情報にはとても敏感なのだと感じた部分でした。

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春日部市の副市長に向けて提言をした政策の内容を教えてください

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私が春日部市役所で副市長に向けて提言した政策は主に3つあります。
1つ目は、高齢者の運転免許証返納を促すために、運転免許証を返納された方へ春日部市独自のコミュニティバス(春バス)の運賃を割り引くというサービスです。埼玉県の高齢ドライバーに関するデータを調べたところ、平成29年から平成30年までの1年間で埼玉県の総人口における高齢者の割合が0.5%上がっており、免許保有者も0.2%上がっていることに気付きました。一方、免許の返納率はというと、0.1%下がっています。このデータから、埼玉県では特に、免許の返納を促すことが重要になってくると予測し、代わりの交通手段となる春バスの運賃割引サービスを提言しました。

2つ目は妊産婦向けのサービスです。右の表は、春日部市の転出者と転入者に対する「春日部市の今後のまちづくりに期待することは何ですか」というアンケート結果です。この調査によると市の転出者、転入者ともに子育て支援の充実を求めているという回答が非常に多くなっています。このことから私は妊産婦への支援が重要であると考え、母子健康手帳を交付された妊産婦に対して春バス運賃を割り引くサービスを提言しました。

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3つ目は上記2つのサービス周知させ、春バスの利用者を増やすために、春日部夏まつりにて春バスの展示イベントを開催することです。
これらは全て春バスを使った政策です。現在春日部市で起きている人口減少や高齢化問題について、新たな予算を使うのではなく、春日部市の既存の資源を使ってどうにかできないかと考え、このような提言をさせていただきました。

インターンシップを終えて、自信が持てたことや成長できたことは何でしょうか

インターンシップに参加した当初、春バスの快適さを向上させるために、ただ単純に改善していけばよいという気持ちでいました。しかし、「現状、利用率が上がっているという事実があるのに対して何故そこを変えてしまうのか」という職員の方のお話を聞き、正にその通りだと感じました。いきなり来た学生の一時の考えで変えられるほど、自治体の政策は甘くありません。これを痛感し、春バス自体の政策を考えるのではなく、市民のためにどうしたらより使いやすくなるのかを深く考えるようになりました。この経験は、政策提言者としても、人間としても成長に繋がったのではないかと思います。
インターンシップを終えて一番に感じたのは、一人でやりきる事ができた達成感です。何度も悩む部分はありましたが、途中からは楽しいという気持ちもありました。それは政策を検討することはもちろん、他の市役所職員の方と試行錯誤するのがとても貴重な体験となったからです。悩んだ壁を越える事ができた達成感は大きな自信に繋がりました。

経済学科3年 鈴木 海仁さん
翔凛高等学校 出身