キラリ☆経営学科教員vol.2
2018.08.23

キラリ☆経営学科教員vol.2

経済学部 経営学科 村上 翔一専任講師

1.先生のご専門の分野についてなるべく具体的に教えてください!

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私の専門は簿記論・財務会計論です。その中でも家電量販店等で発行されるポイントの会計処理を主軸に、そこから派生して電子マネー、仮想通貨や顧客情報の会計処理を研究しています。

まず、簿記論と会計学の違いについて説明します。
会計学:企業が行っている日々の取引をどのように情報化するか、ということを研究する学問です。企業の情報を利用する者が企業外部者であるならば財務会計論、企業内部者であるならば管理会計論と分類されます。
簿記論:企業が行った取引をどのように記録するか、という記録の方法等を研究する学問です。
会計学でどのように情報化するかを論じ、簿記論で実際にどのように記録するかを検討する、と理解すると分かりやすいと思います。

私の研究内容を少し紹介したいと思います。私がメインで行っているのはポイントの会計処理です。日本ではポイントを“おまけ”として認識しています。企業はポイントを無償で提供していると考えているからです。一方、海外ではポイントの付与は商品の販売と同時に行われることが多いため、商品とセットで販売していると考えています。この考え方の違いは、企業が本業でどれだけお金を獲得したかという指標(売上高)に影響を与えます。
ポイントを“おまけ”と考えると、企業の本業である商品販売によって受け取ったお金が売上高になります。一方、ポイントも商品と一緒に販売していると考えると、受け取ったお金をポイント分と商品販売分とに分ける必要があります。すなわち、受け取ったお金をすべて売上高として処理することができなくなります。どちらの方法が良いのかを、会計的な考え方を基に検討するのが私の研究です。
その他、ポイントと比較される電子マネー、仮想通貨や企業がポイント・プログラムを導入したことによって獲得した顧客情報をどのように会計処理すべきかを検討しています。

私が受け持っている講義は、簿記・会計概論会計学経営分析演習(ゼミ)です。
簿記・会計概論は、企業が行っている取引を理解し、それをどのように記録するかの方法を学びます。
会計学は、簿記という記録方法の裏に、どのような考え方があるのかを学びます。
経営分析は、企業の記録の結果である財務諸表を見て、どのようなことが言えるかを学びます。
演習(ゼミ)は、私の専門をもとに、講義では取り扱わないような事例をゼミ生と共に詳細に検討していきます。内容は各年代によって個性があるので、ゼミ生と協議して決めます。

2.敬愛大学の学生に期待することは何ですか?

考え方の多様性を知ってください。会計学は、企業の活動と密接に関わっています。企業の活動をテーマにした学問はたくさんあります。その時、「あの講義ではAと言っていたのに、この講義ではBと言っていたな」といった場合は多々存在します。同じ事象をAやBと言った場合、どちらが正しいのかを考えるのではなく、「どうしてAとかBといった結論になるのだろう」といった思考プロセス・考え方を学んでください。
反面、教えられたことをすべて鵜呑みにせず、日々疑問を持つような態度で臨んでください。確かに最初は知っていることが少なく、疑問なんて持たないかもしれません。例えば、皆さんが家庭をもってお金をどのように使えばよいか迷ったとします。この時、お金の使い方に①案、②案、③案があった場合、何も考えずに正解のみを教えてもらっていた人は判断ができなくなります。それは、日常生活に“正解”は存在しないからです。この時、様々な考え方を持っている人は、ある視点のもと「①案はここがダメ、②案はまぁまぁ、③案は素晴らしい」といった結論を自分で導き出すことができます。大学のレポートは、自分で学んだ知識を活用してみる場です。十人十色という言葉があるように、考え方は人それぞれなので結論が違っても良いのです。

大学は学問を学ぶ場でもありますが、それ以上に大学で学んだ知識をもとに自分の意見を言えるようになる場でもあります。そのためには、たくさんの知識を得ること、その知識を活用してみること、が大切です。そして大学を卒業した時に、自分が持っている知識を使って、自分で物事を判断できるようになることが重要なのです。そのような自分の意見を、感情的ではなく、論理的に言えるような人間になっていただきたいです。

3.大学受験を目指す方へメッセージがあればお願いします!

これから大学受験をされる方は、ぜひ大学受験勉強を「受験のための勉強」と思わず、「将来の人生を豊かにするための勉強」と思って勉強をしていただきたいです。例えば、1600年頃に初めてできた株式会社である東インド会社の経営を支えていたのは、企業の取引を正確に記録するという簿記の方法が適切に運用されていたからとの指摘があります。数学の微分・積分は、戦争を行っていた際の砲弾の軌道を計算するために生み出されたと言われています。今まで学んできたことの裏には、学校では教えきれないことが様々潜んでいます。

上記例は過去の話ですので、確かに日常生活には必要ないかもしれません。ですが、これらの知識がマイナスに作用することはなく、プラスに作用することの方が多いです。世の中は意外なところで無駄だと思った知識が役立つ時があります。知識というのは、自分の人生を豊かにすると同時に、武器にもなります。大学は高校では学ばないことをたくさん学ぶ場です。自分のやりたいことを決めて大学に来る方もいらっしゃいますが、まだやりたいことが決まってない方は自分の価値を上げるために大学に進学してみるのも良いと思います。敬愛大学には、学びたい学生を支援する教職員がたくさんいます。私も皆さんと一緒に自分の価値を高めていきたいと思っております。

4.先生のゼミの内容について教えてください。

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私の専門が簿記論・財務会計論ですので、これらに関することをゼミ生と学んでおります。具体的なテーマはゼミ生と一緒に決めております。それは興味・関心あるテーマを学ぶ方が学問は楽しいからです。決して楽ができるという意味ではなく、物事を真剣に考えるということは楽しいということを身をもって体験してもらいたいです。

確かに、最初は基礎的な会計の考え方を理解しないといけませんが、ある程度の基礎知識が得られたら、その後はゼミ生に興味・関心あるテーマを設定してもらい、そのテーマについて調査・報告してもらうのが私のゼミの活動方針です。

財務会計論は、企業が行っている取引をどのように情報化するかを検討する学問です。そのため、企業の取引に関わる法律・経営・経済・統計・歴史などの多様な分野を横断する学問でもあります。決定したテーマを調査するにあたっては、上記多様な側面から検討する必要があります。そのため、頭を柔らかくして多面的に物事を考えられる人財を育成するのが私個人の目標です。