キラリ☆国際学科教員vol.2
2017.04.24

キラリ☆国際学科教員vol.2

国際学部 国際学科 向後秀明 教授

1.先生のご専門の分野、大学教員となるに至ったきっかけなどを教えてください!

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専門分野は,英語教育,英語科指導法,英語教育施策研究になります。
私は大学卒業後,千葉県の公立高等学校3校で計22年間,英語の教員をしていました。その後,千葉県教育庁で2年間,文部科学省及び国立教育政策研究所で7年間,行政の世界に身を置き,英語教育改革を中心に仕事をしてきました。特に行政の時代は,全国の教育委員会や多くの先生方に支えられながら,とても刺激的で充実した日々を過ごし,本当にたくさんのことを学ぶことができたと思っています。
同時にここ数年は,訪問した各地の学校の教室で先生方や生徒さんたちとお会いするたびに,自分の中で “Go back to teaching! Go back to English education itself!” という声が抑えきれないほど大きくなってきました。授業視察をしている時に,ペア・ワークやグループ・ワークに一生徒として完全に入り込んでしまっているようなこともありました。結局のところ,学生,教室が大好きで,これからの日本や世界を担っていく人材育成に実際の場面で関わりたいという気持ちが強くなったということでしょうか。いろいろと考えた末に,大学という新たなフィールドで,微力ながら英語教育に貢献していきたいと思った次第です。

2.これからの英語教育に求められることは何だと思いますか?

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2020年度前後から日本の英語教育システムは大きく変わり,既にその改革に向けて動き出しています。
小学校3・4年生で「外国語活動」が始まり,5・6年生では「外国語」が教科となり,中・高等学校の「外国語」では「授業は英語で行うことを基本とする」とされ,さらに高等学校では言語活動が高度化してディベートやディスカッションも行います。
同時に,大学入学者選抜についても抜本的な改革が進められています。現在の「大学入試センター試験」に代わって「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が導入され,英語はこれまでの2技能から,民間の外部資格・検定試験を活用した4技能型試験への移行が検討されています。これは,英語の特定の技能に偏らず,グローバル社会で求められる「聞くこと」,「読むこと」,「話すこと」及び「書くこと」の総合的な英語力の測定を可能にするためです。
これまで,例えば,高等学校では大学入試を,大学では学問の専門性や難度などを“言い訳”に,英文読解型の授業が少なからず行われてきた実情があります。しかし,そのような状態は世界的にはレア中のレアで,もはや限界だと思います。英語教育について,世界スタンダードがどうなっているのかを見なくてはなりません。今回の一連の改革によって,「話すこと」「書くこと」の発信力を含めたバランスの取れた指導・学習が必要になってくるため,教師も生徒も,大きな一歩を踏み出すことになります。
特に,教師は,自分の中だけで完結せず,常に外の世界を見て新たなものを吸収し,児童生徒・学生の可能性を引き出したり拓いたりすることに全力を注ぐ「教師としての人間力」と,生徒の英語によるコミュニケーション能力を引き上げるための「教師自身の英語力」が求められます。

3.敬愛大学の学生に期待することは何ですか?

大学生活は4年間しかありません。この4年間で,英語を好きになってほしい(少なくとも嫌いにならないでほしい)と思います。そのために,少なくとも次の点に留意していただきたいと考えています。
〇⾃分の興味関⼼やレベルに応じた(とにかく楽しく,理解だけで四苦⼋苦しない)英語を,日常的にできるだけ多く聞いたり読んだりする。
〇教室内で英語学習を完結させてしまうのではなく,実際の場面で英語を用いて何かを達成するような機会を積極的に外に求める。
〇各技能をバラバラに学習するのではなく,例えば,聞いたり読んだりして得た情報を,口頭で第三者に伝えたり英語で要約して書いたりするなど,複数の技能を統合させながら学習する。
〇英語を日本語に置き換えるのではなく,文脈を手掛かりに推察するなどして,英語を英語のまま理解することに慣れる。その結果,大量の情報を高速処理できるようにする。
〇外国語の学習においては完璧さを求めず,“モヤモヤ状態”(あいまいさ)に耐えながら学習を続ける。
〇誤りなくして英語⼒の向上なし― “LOVE your mistakes!” の気持ちを忘れない。
勉学や研究,社会に出てからのビジネスでも,英語が得意ならチャンスはどんどん広がります。さらに,より根本的なところで大切なのは,英語によって,国境を飛び越えたところで,人と人とのつながりができます。互いに学び合い,助け合うことも可能になります。

4.大学受験を志す方へメッセージがあればお願いします。

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「グローバル社会」という用語が頻繁に使われるようになっていますが,globalとは地球が球体として1つということです。例えば,自国以外で起こっている事象も自分たちのこととして捉え,様々な課題に立ち向かっていこうとする姿勢や,実際に課題を解決することのできる力や行動力がより一層求められていくことになると思います。そのような時代を生きていく皆さんにとって,英語はもはや学校における勉強の対象というよりも,自分の可能性を広げるために“生涯お付き合いしていく”ものです。そして,英語の習得そのものがゴールになるわけではなく,英語を使って何ができるようになるかが問われる時代に突入しています。
大学入試が終わって,「これでもう英語を勉強しなくてすむ」といった状態になることは避けなければなりません。テストでいい点を取るためだけではなく,自分の世界を大きく広げるために英語を実際に使いながら学んでいってほしいと思います。
なお、敬愛大学の英語教育では,皆さんがそのような力を効率的に身に付けることができるように授業を展開していきます。また,敬愛大学では教員と学生の距離が近く,温かい雰囲気の中で充実した学生生活を送ることができます。

5.向後先生が担当する科目一覧

① 「College English Ⅰ」・「College English Ⅱ」
日常生活に関連した身近な話題や社会的な話題を題材として,英語の6つのスキル(listening, speaking, reading, writing, viewing, presenting)を伸ばすために,「聞くこと」「読むこと」「話すこと」及び「書くこと」の複数の技能を統合的に組み合わせて言語活動を行います。このことにより,実際のコミュニケーションの場面において活用できる英語による総合的なコミュニケーション能力を身に付けることを目指します。

② 「Listening Ⅰ」・「Listening Ⅱ」
日常生活に関連した身近なテーマについて話されている英語を聞いて,自分が必要とする情報を得たり,概要や要点を捉えたりする力を向上させます。このことにより,実際のコミュニケーションの場面において,リスニングによって情報や考えをインプットする能力を身に付けるとともに,聞き取った情報を英語で他者に説明したり,聞き取った情報に基づいて自分の意見や考えを話したり書いたりすることで,総合的な英語力の向上を図ります。

③ 「英文購読Ⅰ」・「英文購読Ⅱ」
日常生活に関連した身近な話題や社会的な話題をテーマとした英文を読んで,自分が必要とする情報を得たり,概要や要点を把握したりする力を向上させます。このことにより,実際のコミュニケーションの場面において,リーディングによって情報や考えをインプットする能力を身に付けるとともに,読み取った情報を英語で他者に説明したり,読み取った情報に基づいて自分の意見や考えを話し合ったりすることで,総合的な英語力の向上を図ります。科目名には「購読」という名前がついていますが,英文のリーディングを中心としながら,スピーキングとライティングを統合的に扱います。

④ 「Writing Ⅰ」・「Writing Ⅱ」
日常生活に関連した身近な話題をテーマとした題材を活用して,語彙力,文法力,ライティング力を向上させます。このことにより,実際のコミュニケーションの場面において,ライティングによって情報や考えなどを他者に伝える能力を身に付けるとともに,扱うテーマに関連したスピーキング活動及びリーディング活動を併せて行うことで,総合的な英語力の向上を図ります。

⑤ 「2年次専門研究Ⅰ」・「2年次専門研究Ⅱ」
日常的な話題から国内外の時事問題・社会問題まで幅広い話題について,比較的簡単な英語を聞いたり読んだりして情報や考えなどを的確に捉えるとともに,聞いたり読んだりして得たことや学習した語彙・表現などを活用しながら,自分の意見を英語で話したり書いたりして適切に表現できるようになることを目指します。同時に,中・高等学校の英語教職課程履修者が実際の授業の在り方や展開方法を学ぶことができるようにします。

<担当科目に共通する事項>
授業は「聞く」ものではなく「参加する」ものなので,英語によるペア・ワークやグループ・ワークを通して,他者とインタラクションを図っていくことが中心となります。したがって,積極的・主体的に英語を用いて活動することを意識してください。

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私自身の英語との出会い,英語教育に関心を持つようになった経緯,これまでの仕事や英語教育に対する考え方を,「対談②! 日本人が英語を学ぶ理由」(プレジデント社 2017年)において,株式会社イーオンの三宅社長とのインタビューの中で述べていますので,御関心のある方は読んでいただけますと幸いです。